た だ の 雨 や ん け
と怒ってみたところで(笑)←今日は本当にあったかくてお天気もいいですね。
昨夜、ザッピングしてたら「R-30」という番組をやっていて、そこで、芸に命を懸け命を落とした方々の「芸人列伝」というコーナーをやっていました。
昨夜はた○八郎さんだったのですが、並んだお写真の中には、故・四代目桂三木助師匠のものもありました。
この三木助師匠の父上・三代目三木助―歯切れのよい江戸弁でいなせ、”隼の七”の異名を持つギャンブラー、江戸っ子を演らせたら右に出る者はなかったという―が、木久ちゃんの最初の先生。しかし、入門後僅か半年で、師匠は癌のため死去。
結局、おかみさんにも「看病のためだけに弟子入りしたようなもので」と言われた短い師弟生活は、芸を習うよりも家の中の雑用で終ってしまった。犬の散歩と子供のお守り。木久ちゃんがおかみさんに「両手が塞がりました」と言ったら、「胴体が空いてるでしょ」と言われ、子供2人の手を引いて胴体に犬の綱を巻いての散歩。
その、お守りをした男の子こそ、三代目三木助師匠。
自分がお守りをした子供が、43歳という、落語家としてもこれからの時期に、しかも自殺という形で…
今のところ、この件について木久ちゃんが書いたものは見当たりませんが(これからも言及はされないかもしれません)、一体どれほどの哀しさ、虚しさであったろうと思います。
と、ちと暗い話を振ったところで。
『元祖キクゾー天狗印元気乃素―噺家生活30年。心から“ありがとう”をこめて。
ええ、この本もまた、非常に面白く、そしてどこかせつないエッセイです。(内容は他の本と大分かぶってます)
今回は「弟子入り」と「ラーメン」でひとつ。
木久ちゃんが三代目三木助師匠の弟子だった頃、病気の師匠に色々な方がお見舞いをくれる。でも、一番おかみさんが喜んだのは「現金」。どんなものより、病人を抱えた家族にはお金が一番。そして、ただ一人、その現金を包んでくれたのが、林家正蔵=のちの彦六師匠。この師匠をおかみさんは「流石は正蔵師匠だ」と褒め称えていた。
師匠の死後、誰の門下に移るか、で、木久ちゃん以外のお弟子さんはみんな、文楽師匠が連れてきた小さん師匠の門下へ行く、という。ところが、最後に、ちゃんと一番必要なお見舞いを送ってくれた正蔵師匠を密かに尊敬して?いた木久ちゃんだけが、「正蔵師匠に」。
途端に、凍りつく一座。
何でも、木久ちゃんは全く知らなかった(!)のですが、当時、「文楽」と「正蔵」というと、「東宝」と「松竹」みたいなもんだったそうです。何故なら、文楽師匠と正蔵師匠は、楽屋でも口をきかないほど仲が悪かった(理由は定かではありませんが)。しかし、やさしい文楽は、嫌いな正蔵師匠に口をきいてくれ、木久ちゃんは晴れて正蔵師匠の弟子に。
が!!!!!
この「しっかりした人」に入門したことが裏目に…
正蔵師匠(晩年はこの名を海老名家に返し、隠居名「彦六」)は、葬式にお金を使うぐらいなら弟子に分配しろと言い残し、自分の遺体さえ検体してしまい、このことで一気に検体希望者が数十倍に増えたというほど進歩的な方。
何と、死後、木久ちゃんと、既に紙切りで売れていた正楽師匠にだけは、「お金を分けてやらんでいい」と遺言していた…
それを後から知った木久ちゃん。複雑だったでしょう。人生は計算(してたわけじゃないでしょうが(笑))通りにはいかないというか、お金にしっかりした人は誰にでもしっかりしてるってことで、合理的と言えば合理的。しかし形見分けではちゃんと、前回第2回に書いた、師匠の日記を頂いたそうです。
一方、ラーメンの話。
木久ちゃんが小さい頃、近所のラーメン屋に、ラーメンの汁だけ売ってくれたお兄さんがいた。その当時、木久ちゃんの住む荻窪では、引揚者がラーメン屋ばかりやっていたそうです。で、その汁にウドンを入れて食べる。木久ちゃんにとっては、この若いお兄さんは神様のようだったみたいです。
この、子供の頃、木久ちゃんは、お店で具入りのお蕎麦を食べることはできず、予め卵や揚げ玉を買い込んでから蕎麦屋に行き、店員の眼を盗んでそれらの具を蕎麦に入れては麺の下に隠して食べていたそうです。
長じて木久ちゃんが発表した、木久蔵式ラーメンの食べ方、即ち、
「チャーシューはスープの底に沈めて最後に食べる」(『6年の科学』より)
は、表向きは、「汁がチャーシューにしみて美味しい」ということだったと思いますが、もしかして、実はこの体験から来ているのでは…と思います。ちなみに、私は小学校6年生の時からこれを実践しています(笑)
この本に、木久蔵流ラーメンのレシピが載っています。簡単に言うと「ミルクブイヨンスープ」です。材料は、いつでも冷蔵庫にあるものだけ。作ってみましたら、妙にあっさりした豚骨という感じで(笑)コクが欲しい人は、この本にもあるように、ラードを多めに入れて下さい。入れて丁度いいぐらいでした。
たぶん、4に続く。












